息子の新生児用ベッドのプレートには「ベビー 男性 0か月3日」と書かれていた。「名前:ベビー、性別:男性、年齢:0か月3日」という意味だろうか。

前回も触れた「日サロ」ならぬ光線療法で24時間ほど隔離されるタイミングだったのだが、これほどインパクトの強い言葉の並びの持ち主なら大丈夫だろうと思った。

実際、光線療法中も授乳のために息子と唯一会える妻によれば、「ガウンのようなものをはだけさせて、気持ちよく日光浴してるみたいだったよ」とのこと。しかも、若い看護師さんたちに全身をくすぐられて目を覚ましてもらっては、ミルクを定期的に飲ませてもらっているらしい。

さすがは、0か月3日のベビー男性。
父親も唇を噛んでしまうほどの好待遇じゃないか。

その後、治療を終えて戻ってきた息子には、バカンス帰りのフランス人のような言いしれぬ貫禄すら漂っていた。そして、わたしのことを「冴えない童貞野郎が」と、どこか見下すように眺めてくるのである。

いや、おれが童貞だったら、きみも生まれてないから。そう返すと、息子は「おまえの戯言なぞ相手にしている暇はない」と言わんばかりに、わたしの妻の胸に勢いよく飛びこんだ。

 

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